(1)概況
官公庁等多くの発注者は、委託契約書の条項で、契約によって発生する権利義務の第三者への譲渡や再委託を禁止しています。
また、消防用設備等の保守点検業務は、消防法が定める法定点検であり、保守点検の実施結果は直接、生命や財産に関わる事柄です。こうしたことから、契約の相手先としては、契約書及び仕様書に示された委託業務を、法令遵守で受託者自らの経営基盤・保守点検業務体制で契約業務を実施できる保守点検業者又は業務遂行できる官公需適格組合等である消防設備保守点検協同組合であることが重要となります。
(2)公共調達の適正化について
国では、公共調達(税金を使って行われる契約行為全般のこと)の適正化に関する財務大臣通知を出しています。平成18年8月25日付け「公共調達の適正化について(各省庁の長あて・財計第2017号」です。
この大臣通知に基づき、契約に係る情報の公開など、各省各庁における「再委託の適正化を図る措置」が実施されることになっています。
(参考)
財務大臣通知「公共調達の適正化について」(平成18年8月25日)
各省各庁の長あて(財計第2017号)/ 抜すい
T 入札及び契約の適正化を図るための措置
(略)
U 再委託の適正化を図るための措置
随意契約により、試験、研究、調査又はシステムの開発及び運用等を委託(委託費によるもののほか庁費、調査費等庁費の類によるものを含み、予定価格が100万円を超えないものを除く。)する場合には、不適切な再委託により効率性が損なわれないよう、次に掲げる取扱いにより、その適正な履行を確保しなければならない。
なお、競争入札による委託契約についても、再委託を行う場合には承認を必要とするなどの措置を定め、その適正な履行を確保するものとする。
(1)一括再委託の禁止
委託契約の相手方が契約を履行するに当たって、委託契約の全部を一括して 第三者に委託することを禁止しなければならない。
(2)再委託の承認
委託契約の相手方が再委託を行う場合には、あらかじめ再委託の相手方の商号又は名称及び住所並びに再委託を行う業務の範囲、再委託の必要性及び契約金額について記載した書面を契約の相手方に提出させ、次に掲げる事項について審査し、適当と認められる場合に承認を行うものとする。
なお、再委託に関する書面に記載された事項について、変更がある場合には、委託契約の相手方に遅滞なく変更の届出を提出させ、同様に審査及び承認を行うものとする。
1 再委託を行う合理的理由
2 再委託の相手方が、再委託される業務を履行する能力
3 その他必要と認められる事項
なお、契約の相手方が特殊な技術又はノウハウ等を有することから「競争を許さない」として随意契約を締結したものについて、承認を行う場合には、随意契約によることとした理由と不整合とならないか特に留意しなければならない。
(3)履行体制の把握及び報告徴収
再委託の相手方からさらに第三者に委託が行われる場合には、当該第三者の商号又は名称及び住所並びに委託を行う業務の範囲を記載した書面を委託契約の相手方に提出させることにより、委託契約に係る履行体制の把
握に努めるものとする。委託契約の適正な履行の確保のために必要があると認めるときは、委託契約の相手方に対し、報告を求める等必要な措置を講じるものとする。
V 契約に係る情報の公表 (略)
W 公共調達に関する問合せの総合窓口の設置 (略)
X 内部監査の実施等 (略)
Y 契約に関する統計の作成 (略)
Z その他 (略)
→ 財務大臣通知「公共調達の適正化について」
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