ホーム > 組合の設立 > 事業の種類と特徴
組合が行う共同事業にはいろいろな種類がありますが、比較的多くの組合が行っているものは次のような事業です。
組合が、新鋭施設等を導入し、組合員が必要とするものを生産・加工し、組合員が引き取る事業です。
これによって、原価の引き下げ、規格の統一、品質の向上、設備の効率化が図れます。
組合員に必要な資材等を組合がまとめて購入し、組合員に供給する事業です。
これによって、仕入先との交渉力が強化されるので、仕入価格の引下げ、代金決済条件などの取引条件の改善、購入品の規格・品質の均一化などが図れます。
組合員が生産した物を組合がまとめて販売する事業です。
これによって、販売価格や決済条件が有利になるほか、大口需要先の開拓など、販路の拡大が図れます。
組合が注文を受け、組合員が仕事を行い、組合が納品する事業です。また、組合員に注文を斡旋する方法もあります。
これによって大口発注先の開拓など販路の拡張や取引条件の改善などが図られます。
組合員の製品、設備、原材料等について、その品質・性能、仕事の完成状況などを検査する事業です。
これによって、品質の維持・改善、規格の統一、仕事内容の評価を高めることができます。
市場開拓事業は、組合員の製品や取扱商品などの販路の維持拡大を図るために、共同で市場調査や展示会を開催する事業です。また、販売促進事業には、広告・宣伝事業、共同売出し事業、クレジット事業などがあります。
これらの事業は、個々の企業では採算が合わないとか、品揃えができないなどの理由で実施することが困難な面がありますが、共同で行うことによって可能になります。
組合が研究施設を設置したり、公的な試験研究機関等に研究を委託するなどして、組合員の事業に関する様々なテーマについて、研究開発を行う事業です。
これによって、製品・技術・意匠・作業方法・販売方法の改善・開発などが図れます。
組合員をはじめ、その後継者、組合員企業の管理者などを対象に計画的・体系的に教育研究等を行うことによって、人材を養成する事業です。
人材養成は、企業経営の基本をなすものですが、特に最近では、情報力、技術力、マーケティング等のソフトな経営資源の充実を図る必要から、この事業の重要性が一層高まっています。
組合員の事業資金の調達を目的とする事業です。
組合が金融機関から資金を借り入れ、これを組合員に貸し出す方法と、組合員が金融機関から直接借り入れる際に組合が保証する方法があります。組合と組合員のための金融機関として商工中金があります。
組合員が顧客や仕入先等と取引する際に、組合がその取引の債務を保証する事業です。
これによって、組合員の取引の円滑化と拡大を図ることができます。
組合員の従業員の確保・定着あるいは能力の向上などを図るため組合員が行う労務管理の一部を組合が代って行う事業です。
これによって、労働時間短縮、福利厚生等の労働条件、安全衛生、作業環境等の改善が図れます。また、従業員の知識・技能等の向上を図るための教育・訓練などもさかんに行われています。
組合員の経営に役立つ需要動向、技術情報、業界情報、経営管理情報等を収集し、組合員に提供する事業です。また、組合の共同事業に役立つ情報の収集や、組合をPRするための情報を組合員や関係方面へ提供することも、組合の情報化事業として大切な分野です。
最近では、コンピュータなど情報機器を購入して、情報提供を活発に展開している組合も多くみられます。
組合員の私生活面の向上を図るための事業で、健康診断、慶弔見舞金の給付、親睦旅行、レクリエーション活動などがあります。
この事業は、組合員の融和、組合への参加意識、協調性の高揚等に効果があります。
これまで述べた事業は、現在、協同組合が行っている事業のうち、主な事業とその概要を紹介したものです。
組合の共同事業は、これまでも時代の変化に対応して、新しいものが生まれています。
地域の中小企業が生き残っていくためには、新技術や新製品の開発、海外市場等への積極対応、地球環境問題への対応等が避けて通れないものとなっております。こうした状況の中で、組合としても組合員の新たな戦略展開をバックアップする事業活動の展開が求められています。特にインターネットを活用した共同販売等の情報戦略、地域ブランドの開発と発信、海外市場調査、ものづくり技能の承継等は緊急の課題であり、組合として積極的な対応が望まれています。