緑茶と健康    お茶をおいしく入れるポイント

 

 

  おいしいお茶の入れ方 
日本茶を美味しくいれるポイント
  1.お茶の種類別の特徴を理解しましょう。
 
 日本茶には色々な種類があり、それぞれのお茶に特徴があります。
 例えば、玉露は硬く締まって撚れていますから茶葉が膨らむのに時間が掛かりますし、逆に、深蒸し煎茶のように柔らかいお茶は短時間でだすことができます。
 このように、お茶の種類によって性質が異なることを理解しておくことが大切です。
  2.水を吟味しましょう。
 
 お茶を美味しくいれるには、使う水に注意をしましょう。
 一般的には水道水が使われますが、水道水には殺菌用に「塩素」が入っており、極僅かでも臭ってお茶をまずくします。ですから、水道水を使う場合は、この塩素を十分に飛ばすことが大切です。できれば一晩汲み置きした水道水を沸かし、沸騰したらヤカンの蓋を取ったまま5分位沸騰を続けたお湯を使うのがコツです。その他に、カルシウムやマグネシウムの多い硬度の高い水や、鉄分の多い水はお茶には適さない水です。
  3.湯は必ず沸騰させてから使用しましょう
 
 水道水を使う場合の注意点とその意味は前項でご説明しましたが、お茶には種類によって美味しくいれる事が出来る適温があります。
例えば、上級の煎茶は70〜80℃の湯温が最適ですが、お湯を沸かす時に、「このお茶の適温は80℃だから」と、沸騰する前に火を止めて使用してはいけません。水の中には様々な成分が溶け込んでいて、美味しいお茶にする
ことを邪魔しますが、沸騰させることによりこれらの成分を不溶化したり、溶存ガスを飛ばしたりして美味しいお茶をいれる事ができるお湯にします。
また、沸騰させないお湯でお茶をいれると、どうしてか「水っぽい」お茶になってしまいます。お茶をいれる時は必ず沸騰したお湯を使いましょう。
  4.お茶を楽しむには茶器を選びましょう
 
 基本的には、お茶はどんな器で飲んでも構いません。しかし、熱湯でいれる焙じ茶を、白磁の茶碗で飲んだら熱くて持てません。逆に、低温でいれる玉露を、陶器の大きな湯飲みで飲んだら風情がありません。このように、お茶の種類によって、そのお茶にあわせて茶器を選ぶのもお茶を美味しく楽しむ方法の一つです。
  5.茶葉の量、お湯の量、お湯の温度、浸出時間を正確に!
 
 この4つの条件が最もお茶を美味しくいれる条件です。
   
  (1)茶葉の量
 
 お茶の種類によって茶葉の量は多少異なりますが、通常、一人前はおよそ3gと覚えましょう。但し、1人で飲む場合と、多人数で飲む場合は異なります。例えば煎茶の場合、1人分3gは必要ですが、5人で飲む場合は、計算
では3g×5人=15gとなりますが、実際は10g位で美味しいお茶をいれる事ができます。お茶は皆と飲むのが美味しいのもこの辺が理由かも知れません。
  (2)お湯の量
 
 お湯は、多過ぎれば薄いお茶になり、少なければ濃くて苦いお茶になってしまいます。茶葉の量に合ったお湯の量を急須に注ぐことが大切です。標準的ないれ方を参考にして茶碗に合ったお湯の量を守りましょう。
  (3)お湯の温度
 お茶の種類の特徴を味わうには、お湯の温度を守ることが大切な条件です。
 お茶には、旨味の素であるアミノ酸類としに苦渋味の素であるカテキンやカフェインが含まれています。
アミノ酸は比較的低温のお湯でも十分溶け出しますが、カテキンやカフェインはお湯の温度が高いほど良く溶け出します。また、焙じ茶や玄米茶のように、香りを楽しむお茶の場合は、お湯の温度が高いほど香りが出やすくなります。このように、お湯の温度によって出てくる成分が異なりますから、お茶の種類別にお湯の温度を使い分けることによって、よりお茶の持つ特徴を引き出すことができます。
 例えば、アミノ酸の濃厚な旨味を楽しむ上級煎茶の場合は、苦渋味の素であるカテキンやカフェインが溶け出さないように、70℃位の湯温でいれたり、香ばしい香りを楽しむ焙じ茶では、熱湯でいれて香りを出しやすくするなどの工夫が、お茶を一層美味しくします。
(4)浸出時間を正確に
 
 お茶をいれる場合、お湯の温度によって成分の溶出が異なることは前項で説明しましたが、溶出するもう一つの条件が「浸出時間」です。
 茶葉を長時間お湯の中に漬けておきますと、成分、特に苦渋味成分が多く出てきてしまい苦いお茶になってしまいます。
 それぞれのお茶の良さを引き出す浸出時間があることを理解しましょう。
  (5)各茶椀の濃度と量が同じになるように「廻し注ぎ」をしましょう
 
 基本的には、お茶はどんな器で飲んでも構いません。しかし、熱湯でいれる焙じ茶を、白磁の茶碗で飲んだら熱くて持てません。逆に、低温でいれる玉露を、陶器の大きな湯飲みで飲んだら風情がありません。このように、お茶の種類によって、そのお茶にあわせて茶器を選ぶのもお茶を美味しく楽しむ方法の一つです。
  (6)最後の一滴まで注ぎ切る
 
 急須の中にお湯が残ると、お茶の持つ成分が出切ってしまいますから、急須にはお湯を残さないように、最後の一滴まで、搾るように出し切りましょう。最後の一滴は「甘露の一滴」と言って、茶葉の間を通ったお湯が、美味しさの成分を運んできたものです。
 これによって、二煎目も美味しく違った味を楽しむことができます。
 
≪参考≫
  1.簡単な湯冷ましの方法
 
 お湯の温度を、お茶に合った温度まで冷ますのに、一般には「湯冷まし」という茶器を使いますが、これから使う茶碗を使って湯冷ましをすると(1)湯温の調整 (2)湯量の計量 (3)茶碗を温める、など三役のことができます。湯冷ましの目安としては、季節や茶碗の材質によっても異なりますが、お湯を茶碗に移すことで5〜10℃下がります。更に、これを急須に移すことで10℃くらい下がります。
 これを利用することによってお茶に合った温度のお湯を作ることができます。
  2.茶葉の計量
 
 美味しくいれる条件に、茶葉の量を正確に測ることがありますが、日常で一々測ることはできませんので、家庭にある「茶匙」(コーヒースプーンは小さくできています)や大匙を使うと便利です。
 普通煎茶や深蒸し煎茶は、茶匙で軽く山盛り一杯が約2g、山盛りで3g、大匙で5〜6gと覚えておきましょう。お茶は、上級のお茶ほど比重が大きくずっしりした感じ、番茶や焙じ茶はガサの割に軽く感じます。
日本茶の標準的ないれ方
 日本茶のいれ方例
  (1)先ず、茶種、いれる人数に合った茶器を用意します。
  (2)必ず沸騰させた湯を用意しましょう。
  (3)茶葉の量
 
 茶葉の量は、「茶匙」(ティースプーン)や大匙を使って計量するのが簡便です。普通煎茶や深蒸し煎茶の場合は、茶匙で軽く山盛りで約2g、山盛りで約3g、大匙で5〜6gが目安です。
 茶葉の量は、上・中級煎茶の場合、1人分は2〜3gです。
 但し、1人で飲む場合には、少し多目の約5gが適当です。
また、5人の場合、計算上では15gになりますが、実際には10g程度でおいしく飲むことができるように、多人数の場合は1人分2g程度を目安に茶葉を用意しましょう。
  (4)湯の量
 
 例えば3人分いれる場合は、茶碗3客を使い、湯冷ましを兼ねて計量します。茶碗への湯の量は8分目程が目安。
茶葉は、使用した重量の4倍の湯を吸収するので、煎液はそれだけ減ることを見込まなければなりません。
  (5)湯の温度
 
 湯の温度は、茶種別の「標準的な茶のいれ方」を基本にし、湯冷ましをして温度設定をしましょう。
  (6)浸出時間
 
 茶の種類や好みにもよりますが、上・中級の普通煎茶の場合、1分〜1分半が目安ですが、近年、生葉の蒸熱時間が長い傾向にあるので、使用する茶に適した浸出時間を見極める必要があります。深蒸し煎茶は浸出しやすいため、この半分位の時間が適当です。
 市販の茶は、ブレンドなど、それぞれの茶商の特徴があるので、湯を入れたら、急須の蓋をせずに茶葉の膨らみ方を観察することも、以後の茶を楽しむために大切です。
  (7)注ぎ方
 
 茶碗に注ぎ分ける場合、各茶碗の煎液の濃さと、湯茶の量が同じになるように注ぎ分けることが大切です。そのためには、各茶碗に少しずつ、数回に分けて注ぎ分けましょう。これを「廻し注ぎ」といい、茶碗3客の場合、1,2,3と注いだら3,2,1と戻り、これを繰り返すようにして注ぎ切るようにします。
 急須に湯が残っていると、二煎目をいれるまでに浸出してしまうので、「最後の一滴」まで出し切ることが大切です。
  (8)二煎目
 
 茶は一煎目でおよそ70%の成分が出てしまうので、二煎目は、残った成分が浸出しやすいように、一煎目よりやや高い湯温で、浸出時間は一煎目の半分位でいれるのがよいでしょう。
 
 
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