ウールは生きています。いつまでも仕立上りのままの着心地を保ち、美しいシルエットを保つためには、適度のお休みを与えてほしいものです。一日休養を取ることが理想的です。
まずポケット中のものを取り出し、汚れを点検、ブラッシングをして、ハンガーに掛け休ませます。着ている時に吸い取った湿気が発散し、疲労回復をはかるのが一番のコツです。一夜で回復するだけの弾性をウールは備えています。
ブラッシングするのは、目に見えない埃を吸っているからです。埃の主成分は土壌。土壌はアルカリ性。服の色が焼けるのは、太陽光線よりも、むしろ埃のせいなのです。週に2〜3回はブラッシングすることをお勧めします。
時々はプレスも掛けていただきたいものです。蒸気アイロンのプレスがベストで、温度と湿度と圧力でリフレッシュするのです。ウールの適温124〜138度を守って、手早く強めに仕上げるのがコツです。
汚れをそのままにしておくと、しみになり落ちにくくなるので、すぐに取ることが大切です。油性の汚れは、ベンジンでたたいて中性洗剤の液を浸み込ませた布でもう一度たたき、その後、湿った布で良く拭き取ってください。インクや醤油などの汚れは、とりあえず水でふきます。状況によってはクリーニングに出すのが無難です。
汚れを付けたまま越年すると、虫・カピの原因にもなります。保管する上で最も大事なことが虫・カビの予防です。虫はウールを食べ、カビは繊維を傷め寿命を縮めます。クリーニング後は、防虫剤と乾燥剤を入れたビニールケースで、ハンガリングして置いていただければ万全といえるでしょう。
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